2011年08月26日

昭和史のかたち

先日、NHK・ETV特集で「霊魂を撮る眼〜写真家・江成常夫の戦跡巡礼」という番組を観ました。
写真家の江成氏は、太平洋戦争の激戦地であった硫黄島、サイパン、レイテ、パラオ、そして沖縄などを巡り、今も残る戦場の爪跡を撮影されています。

兵隊や民間人が逃げ込んみ、火炎放射器で黒こげにされた洞窟の中で、ファインダーをのぞき、シャッターを切る江成さんの眼差しに宿る死者たちへの鎮魂の思いに強く打たれました。

今、その江成さんの写真展「昭和史のかたち」が、東京都写真美術館で9月25日まで開催されています。
胸が痛む写真ばかりですが、持続可能な未来を築くためにはやはり正視しなければ、と思いました。私が会場を出てきたら、中学生ぐらいの子どもたちが5,6人入っていくところでした。夏休みにこんな写真展を訪れる子どもたちもいるのだと、熱いものがこみあげてきました。

ぜひ、機会がありましたら、ご覧ください。

下記は、展示にかけられていた江波さんからのメッセージです。

昭和史のかたち 江成常夫

今年は、太平洋線背負う開戦から70年という節目の年です。
私は、40年近く、昭和の「負の歴史」である戦争にこだわり、内外の戦跡を撮り続けてきました。

戦後の日本は、日本人が犯した戦争の記憶を遠ざけ、何事にも経済優先で突き進んできました。そんな精神的な過ちが、モラルの喪失など、現在の病理社会を生んでいると思います。東日本大震災のいまこそ、この国を考え直すときだと思うのです。

中国に「鬼哭(きこく)」という古語があります。
「浮かばれない死者の霊魂が恨めしさのあまり泣く」という意味ですが、南洋の島々やオキナワ、ヒロシマ、ナガサキを巡りながら、私はそんな無辜の民の声を聞き、撮影いたしました。


posted by fudo at 16:59| そのほかのお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする