2010年09月08日

食と科学 リスクコミュニケーションのあり方

ようやくの雨!
いつも雨が次の季節を連れてきますね。
この雨は秋への序章。
でも、台風が通る地域に被害が出ませんように。

昨日は、東大大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター主催の「食と科学 リスクコミュニケーションのあり方」という講演会とパネルディスカッションを聞いてきました。
なんだか難しそうですが、食をめぐる問題が多発する中で、科学的な視点を踏まえながら、どのようにさまざまな情報を発信し、受信していくべきかということがテーマです。

一人目の講演者のイレーネ・ファン・ヘーステーヤコブ氏(元欧州食品安全機関(EFSA)コミュニケーション副部長)からは、「ヨーロッパのリスクコミュニケーションのありかた」についてお話がありました。怪しい食品や食の情報があふれているのは日本だけかと思っていたら、EUも同様なんですね。BSEやGMOにより企業や行政に対する消費者の信頼が揺らいでいることも。信頼回復には情報開示が重要とのこと。ただ、その情報を受け手が冷静に受け止め、活用できるようにするためには自然の理がどうなっているのかを知らせる必要がある、科学を身近なものにしていく必要があるというのは、二人目の講演者である英国エセックス大学教授でイギリス生態学会の副会長のスー・ハートリー氏。同氏が子どもたちのために20年も続けている英国科学実験講座クリスマスレクチャーの今年のテーマは「植物の進化の歴史と人との関わり」を大人のための短縮版としてお話してくださった内容がとても興味深いものでした。これは次回に。

リスクとハザードが混乱されているというのも共通の課題。塩は大量に摂取すれば当然害を与える。これがハザード。毎日適量を摂取できるかどうかがリスクです。また、たとえば、食中毒が実際に一番大きな影響を与えているのにも関わらず、周囲が体験したり、実際の事例を目にしたりすることで大きな脅威とは捉えられないのに比して、見えない、よくわからないGMOへの不安や不信感はものすごく大きなものがあるというわけです。
こうした混乱は、急速な産業発展の影で自然科学が重視されてこなかったという背景があります。すぐに役立つこと、答えを求めてしまう。一方で科学を知らないために誤った情報やわかりやすい情報を容易く信じてしまうというサイエンスリテラシーの低下が、現在の混乱を招いている大きな一因なのです。

私はというと、やはり科学にはとても弱いという先入観があり、つい「からだによい」とか「入っていると危険」というような単純な情報に踊らされてきた経験があります。食に携わるようになって15年ほど経て、このところ自分の思いこんでいたことを科学的な目で再検討してみるという作業を行っています。ミツバチをテーマに活動を始めてみて、自然科学の視点を得ることで誤解や間違った情報、思いこみが氾濫していることに気付きました。食を一歩離れたことで見えてきたことがたくさんあります。
どんなに情報が簡単に手に入ったとしても、自分が納得できる情報を得るという努力は地道にするしかないですね。
難しい部分もたくさんあるけれど、新しいことを知るのはやはり楽しいことでもあります。
かなり刺激的な講演会でした。



posted by fudo at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 食の未来 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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